クラウドマイニングって儲かるの?
儲かりません!
クラウドマイニングって元が取れるの?
無理です!!
じゃあこの記事は何なの?
とても限定的な状況下ではありますが、クラウドマイニングが役に立つシーンを思いついたのでその共有です。 過度な期待をしないでください。条件に合う境遇にある極一部の人が”ほんの少し”だけ幸せになれるかも知れない方法です。
まだ実証実験が出来ていませんので効果はあくまで試算であることと、この方法によってサーバにネガティブな影響が出ない(または無視できる)と言えるかどうか、正直まだ自信がありませんのであくまでその前提で書きます。
それと、この方法は悪意を持って使うと周囲に大きな迷惑をかける可能性がありますので、絶対に悪用しないでください。 多分私が書かなくても早晩誰かが同じような記事を書くでしょうし、誰も書かなくても誰かがこれと似たような方法を使って悪事を働くケースが出てくると思います。
今回あえてこの記事を書くことで、こんな方法もあるんだということを広く知ってもらい、「監視による抑止効果」を期待したいと思います。
この方法でほんの少し幸せになれる人
- 自分でクラウドサービス(基本的にはIaaSかVPS)を契約している人
- サーバリソースに十分な余裕があること
- サーバが少しくらい遅くなっても大目に見れること
この3条件をクリアできる環境にいる人自体それほど多くないと思われます。
一方、悪意ある立場で考えると、1.はクラウドサービスの管理者である人、3.はそれほど重要な役割ではないサーバであるか、それを問題にならないように出来る立場にいる人は、不正を働く動機を持った時にはそれが実行できるリスクがある人かも知れません。
この方法を悪用すると、最近問題になっている、悪意のあるjavascriptを送り込んで他人のマシンにマイニングをさせる方法と非常に近い結果が得られてしまいますので、繰り返しになりますが世の中に啓蒙することで「監視による抑止効果」を期待したいと思います。
別記事でminergateについて書きましたが、この方法は私自身が好奇心からminergateを使ってみて、思いついた方法です。 blog.boost-up.net
今回はminergate前提に書きますが、おそらく他のマイニングプールでも同じような方法を使うことができると思います。
幸せになるための事前準備
今回はCentOSを前提にしますが、この方法を使うためには3つのコマンド(プログラム)が必要になります。
minergate-cli
minergateによるマイニングをコマンド実行するためのプログラムです。 ダウンロード方法はここでは触れませんが、Minergateの公式サイトから誰でも簡単に入手できますので、「自分が契約する」サーバ上で利用できる状態にしてください。
nice
プロセスの優先度を指定するコマンドです。 通常Linuxのプログラムはnice 0という優先度で動きます。nice値は-19が最も優先度が低く、20が最も優先度が高いことを意味します。
cpulimit
プロセスに割り当てるCPU使用率を制御するコマンドです。
例えば、cpulimit -l 10 <任意のコマンド>
で実行すると任意のコマンドが使用するCPU使用率を10%までに制限することが出来ます。
ここまでで、そろそろ結果が見えた方もいると思います。
ほんの少しだけ幸せになるための魔法の呪文
あとはOS上で以下のコマンドを実行するだけです。
nohup cpulimit -l 80 nice -n 19 minergate-cli --user <minergateアカウントのメールアドレス> --xmr &
文章で書くと、「ログアウトしても中断しないバックグラウンド処理として、CPU使用率上限80%(適当に調整してください)かつ最低優先度でMonero(これは他の通貨でも良いです)の採掘を開始する」処理となります。
これにより、普段は概ね80%のCPU使用率を維持しながら採掘し、他のプログラムが起動されたときにはそちらにCPUを譲る動きが期待できます。
この発想のポイントは次の2点です。
1.固定費の一部回収を期待するものであること
クラウドマイニング単独では投資回収ができないことは所与として、サーバリソース、特にCPUリソースに空きがある場合に、その一部でマイニングを続けることでサーバ利用料の一部だけでも回収するという考えです。
2.他の処理を優先する控えめな実行であること
この処理を実行するサーバは本来別用途で存在しているサーバですので、儲からないクラウドマイニングのために本来のサービスが疎かになっては困ります。
そのため、nice値を最低にすることで他の処理が起動されたときには、そちらを優先するように予め優先度を最低に指定しています。 ただそれだけだと、minergate-cliがCPUを使い切って監視に引っかかる状態になってしまったため、cpulimitを併用することで高稼働にならないよう制御しています。
クラウドマイニングはただでさえ儲からないので、この方法で回収できる金額はそれこそ微々たるものですが、塵も積もれば効果は期待できると思います。
どれくらい幸せになれるのか?
皮算用ですので、「どれくらい幸せになれそうなのか?」が正しいかも知れません。
例えば私が使っているIDCFクラウドのLight.S1プランだと、毎月の使用料は例えば648円(仮想マシン200円、ルートディスク300円、データディスク100円、消費税8%として48円)です。
このサーバ上で今回の採掘コマンドを実行した場合のハッシュレートはだいたい6.5-10H/sです。
ハッシュレートに対してどれくらいの収益が期待できるかは、↓のサイトの値を信用すると一か月あたり0.001914XMRとなります。 www.cryptocompare.com
これに乗じるMoneroのレートは1XMR=39,273.142958円(2017年12月25日のある時点)とすると、計算上は75.17円/月の収入が得られることになります。
最近の仮想通貨はボラティリティが非常に激しいので全く参考にならないかも知れませんが、 648円でサービスを提供しながら75.18円が得られるということは、サーバ利用料の約11.6%がマイニングで回収できるということになります。
サーバ1台では微々たる金額ですが、私は仮想サーバを10台以上契約していますので、マイニングによって得られる資金で仮想サーバを1台追加できることになります。
この程度で幸せを感じている場合でないのは自分でも良くわかっております。