上場企業で消費税を税込経理している会社が3社存在した件

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税込経理と税抜経理

企業会計では消費税の会計処理として税込処理と税抜処理の2つの方法が認められています。

税込経理とは取引の本体価格と消費税を一体として処理する方法であり、 税抜経理とは取引の本体価格と消費税を区別して処理する方法です。

例えば、本体価格1万円の商品を販売した場合、税率を現在の8%とすると、それぞれの方式における仕訳は次のようになります。

  • 税込経理の場合
売掛金 10,800 / 売上 10,800
  • 税抜経理の場合
売掛金 10,800 / 売上 10,000
        / 仮受消費税 800

仕訳だけを見れば、税込経理の方が単純で楽そうですが、 税務上、会計上様々な理由から、特に規模の大きい企業では税抜経理が常識と言われています。

その理由は今回の本旨ではありませんのでまたの機会にするとして、 ふと、「常識」が正しいのかどうか気になりましたので調べてみることにしました。

データソースは上場企業サーチ.comで集めている上場企業各社の有価証券報告書になります。

対象とした有価証券報告書

本日2017年12月8日現在、上場企業各社がEdinetを通じて開示している最新の「有価証券報告書」を対象にしました。 対象の各有価証券報告書において、個別財務諸表の注記事項として記載されている「消費税等の会計処理」を全件調査しました。

開示されるのは上場企業本体の消費税処理方式ですので、 グループ会社などの消費税処理方式は親会社と異なる可能性もあります。

上場企業で税込経理を採用しているのはわずか3社!!!

もしかしたら1社も該当がないのではないかとの不安と期待を旨に結果を取り出してみたところ、 たった3社だけ、税込経理を採用している上場企業がありました。

眼科薬の開発を行う創薬会社の持株会社

家賃保証業務を行っている会社

不動産担保ローン業務を行っている会社

上場企業で税込経理を採用する会社があったことは正直意外でしたが、 よくよく見てみると、窪田製薬ホールディングスは上場会社単体では売上高がゼロという極めて珍しい状況ですし、 あんしん保証とアサックスの2社もそれぞれ家賃保証、不動産担保ローンを業としており、非課税取引が本業の会社ということで、 やはりそれぞれ一定の事情はあるようです。 (後の2社については、非課税取引が本業の会社で税抜経理を採用している会社も多数ありますので、単に業種だけの問題だけの問題ではないとは思います。)

ということで、上場企業は税抜処理という「常識」は一応確信に変わりました。